2010年代のベストアルバムに選出する人も多いであろう音楽史において最重要作品の一つ、アメリカはカリフォルニア、世界の中心都市LAの中のCompton出身のラッパー、Kendrick Lamarが2015年にリリースした『To Pimp a Butterfly』を入荷しました。

まずはこのアルバムはとにかく音楽として素晴らしい。HIP-HOPファンだけではなく、その他の音楽好きから普段は音楽を聞かない人たちにまで届くであろう強烈であり、肌さわりも良い音楽作品で、そこにはThundercatやFlying LotusといったLAの新鋭たちの活躍も大きいだろう。

跳ねるように攻撃的であり、それでいてポップさを持った素晴らしい作品なので、例えリリックの意味がわからずとも楽しめるアルバムだし、むしろ曲の意味なんてしらない方酒を飲んで、爆発したい時には楽しめる人の方が多いと思う。

今作の大きなテーマの一つにはやはり人種の問題がある。Kendrick Lamarの出身地であるComptonという地域は、LAの中でも危険な地域と言われ、彼が子供の頃は周りの人が死んだりするのが日常茶飯事だった。僕も行ったことはあるし、今では絶対に足を踏み入れるなというレベルの場所ではないと思うけど、それでも貧困やギャングの問題は続いているし、”犯罪率”というデータの部分だけを見て比べると、日本人が旅行で気軽にツアー感覚で行く場所ではないことは確かだと思う。

そこで起きる問題のほとんどは歴史のせいで起こっていることで、大統領がオバマになろうが、BLMがあろうが、資本主義が根強いアメリカでは何も本質は変わらない。その怒りを歌うのと同時に、自分たちよりも酷い環境で生活をしていることを彼の仲間に共有することもこの作品の大きな一つのメッセージになっている。

世界的なアンセムに成長した7曲目「Alright」のサビのフレーズ「We gon’ be alight!」というワードはBLMのプロテスト中に街中に響き渡る。当時のある意味カオスだった状況の中で、”きっとオレらは大丈夫さ” というフレーズがアンセムになったのにすごく感動したし、僕の中では更にこの作品が大切になる出来事だった。

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◆ 2LP

Tracklist：
1.Wesley's Theory
2.For Free? (Interlude)
3.King Kunta
4.Institutionalized
5.These Walls
6.u
7.Alright：https://youtu.be/Z-48u_uWMHY
8.For Sale? (Interlude)
9.Momma
10.Hood Politics
11.How Much A Dollar Cost
12.Complexion (A Zulu Love)
13.The Blacker The Berry
14.You Ain't Gotta Lie (Momma Said)
15.i：https://youtu.be/8aShfolR6w8
16.Mortal Man

Listening the album：https://open.spotify.com/album/7ycBtnsMtyVbbwTfJwRjSP?si=AKBqIR86S-m445T_6RyvNg

◆関連リンク
Kendrick Lamar - Live At Reading And Leeds Festival 2018
https://youtu.be/g5Jgy-33t-M

Release Date : 15 March 2015
Label：Interscope Records

ショップの評価

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