2019年に開催された『Charli』のツアーLA公演は冗談でも大げさでも無く、僕が生涯忘れないであろう伝説の一夜だった。Charli XCXというアーティストがアイコニックな存在なのは間違いないが、Taylor Swiftのスタジアムツアーに参加し、”有り難い経験だったけど同時に観客との距離に違和感を感じた”とポストし炎上したこともあるが、実際彼女はBTSともコラボしたポップスターなのか、それともPC MusicやLGBTQシーンのリーダーとして活躍している存在なのかという判断は人それぞれ違うであろう。

そんな彼女だからこそ作れたステージは2500人ほどの会場に僕のような音楽ファン、全身オシャレをしまくったLGBTQシーンの人たち、子連れの家族までを全力で踊らせ、本当に心の底からあの場所だけは人種や性別や年齢というレッテルを全て燃やし尽くして誰もが楽しめるような空間だった。

そして今作『How I'm Feeling Now』世界中を襲ったコロナウイルスの影響で自宅で録音された作品なのだが、まず何よりも3月の中旬にロックダウンがはじまったと思うと、リリースが5月というのはとてつもないスピードだ。とにかく滅入ってしまっている人の心をどれだけ救い楽しませかは図りきれない。

冒頭を飾る「pink diamond」はDijonがビートを制作し、今作でも多くの楽曲のプロデュースに噛んでいるA. G. Cookの名前もクレジットされている曲でアグレッシブでハードな当時のフラストレーションは爆発したかのような楽曲になっている。

コロナ禍を一緒に過ごしていた恋人に送られた続く「Forever」という楽曲の中では "I will always love you I’ll love you forever Even when we’re not together" といういつか別れが来るのを知りつつも、それでもずっと愛しているよというリリックが頭から離れないし、100 gecsのDylan Bradyをプロデューサーに迎えた「claws」もオンライン〜ポップシーンを右往左往する素晴らしい仕上がりになっている。

個人的にこの作品で一番音して好きなのは6曲目に収録されている「enemy」という楽曲でこの楽曲のサビのメロディーのポップさとエモーショナルのバランスは完璧だと思うし、8曲目「c2.0」とかも100 gecsが火をつけたハイパーポップ・シーンの火を消さないための油として重要な一曲だと思う。

Charli XCXは今作を作るためにファンとネット上で交流したり、積極的にZOOMを通したクラブイベントでパフォーマンスをしたりしていたけど、そういったことを含めてやっぱCharli XCXというアーティストは場と場を繋げることをとにかく考えていると思うし、本当に信用できるアーティストだと今作を通じて改めて感じさせられた。

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◆ LP（Ltd Orange Vinyl）

Tracklist：
1.pink diamond
2.forever
3.claws：https://youtu.be/WAo8X-rIt8k
4.7 years
5.detonate
6.enemy :https://youtu.be/iQKiFbDKLlE
7.i finally understand
8.c2.0
9.party 4 u
10.anthems
11.visions

Listening the album：https://open.spotify.com/album/3a9qH2VEsSiOZvMrjaS0Nu?si=JenUoc7jQKictG-7yd7Z0A&dl_branch=1

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Grubhub Sound Bites: Charli XCX
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Release Date : 15 May 2021
Label : Atlantic Records

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