ノルウェーはオスロを拠点に活動中のプロデューサー / アーティスト、Jenny Hvalが〈4AD〉からリリースした9thアルバム『Iris Silver Mist』を入荷しました。

冒頭を飾る「Lay down」からゆっくりと水に溶け込んでいくようなシンセサイザーと舞うように、壮大に広がっていくヴォーカル。そして鳥の鳴き声やクルマの発信音のような環境音が超心地良く絡み合っていく。

リードシングルとして公開された「To Be a Rose」では彼女がこれまでに記憶した香りをサウンドに変化させているとのことだが、ジャングルの中を一歩一歩華麗に歩んでいくJenny Hvalの姿が浮かんでくるような序盤から、何かを吸収したかのように除々にテンション感が壮大に鳴っていき、昇華されていくようなヴォーカルの動きを聞いているだけで、映画のラストを体験しているような満足感を得られる。

パンデミック最中に曲を作ることと同じように「香り」に興味を持ったJenny Hvalが今では様々な人が感じているであろう「あの奇妙期間はマジ何だったんだ？」という疑問をリリックにしたかのようにも感じ取れる「All night long」やドイツの演出家である「Heiner muller」をただ語っている曲があったりと相変わらず彼女が選ぶテーマは奇妙で面白い。

エクスペリメンタルなアルバムの中盤の流れからアヴァンポップへと変化していく「I don’t know what free is」は途中で入ってくる8ビートが超効いている。僕も普段から「I don’t know what free is」という事をよく考えて生きているので、僕はアーティストではないが、色んな事を想像しながら聞いてしまう曲だった。そして続く「The artist is absent」も含めて基本的にはスモーキーで浮遊感のあるシンセが活躍しているアルバムの中でビートが超最高な曲が続いている。

ラストを飾る「I want the end to sound like this」はまじでタイトル通り。

Jenny Hvalって楽曲のタイトルの付け方にセンスがあるよね。

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◆ LP（Ltd Pearl Vinyl）

Tracklist：
1.Lay down
2.To be a rose：https://youtu.be/6E5918QP394?si=_1ZvlHnxPHfGqL3e
3.I want to start at the beginning
4.All night long
5.Heiner muller
6.You died
7.Spirit mist
8.I don’t know what free is
9.The artist is absent
10.Huffing my arm
11.The gift
12.A ballad
13.I want the end to sound like this

Listening the album：https://jennyhval.bandcamp.com/album/iris-silver-mist

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Release Date : 2 May 2025
Label : 4AD

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